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第二回モノノネ
2015.10.30
第三京浜をドライブして、つい先月まで住んでいた湘南へ。
今日は、スピーカーMONOがデビューしたBRANDINでのモノノネ開催。
6月7日のデビューからいろいろありました。
まさかあの時は彦根に引っ越すなんて思ってなかったです。
サーファーのように流れをうまくキャッチしていきたいなと思いながら車を走らせました。
今日のゲストは、湘南在住の彫刻家、三沢厚彦さん。
三沢さんとの出会いは、奈良美智さんとのAtoZの時でした。
オープニングイベントのキャンプファイヤーの火を見ながら、お互い好きなニューウェーブバンドの話で盛り上がりました。あれから9年ほど経ちますが、僕にとっては、とても昔のような、ついこの前のような不思議な記憶となっています。
三沢さんはひとりでは持ちきれないくらいのレコードとCDを持ってきてくれました。
DJのようにその時の流れを読みながら選曲してくださりました。
一曲目も事前に用意していたレコードから瞬間的に変更して、Paul McCartney "Momma Miss America" をセレクト。僕もこのポールの宅録アルバム大好きなんです。"Momma Miss America" は特にその宅録感が詰まった曲。ちなみにスピーカーMONOの発売日はポールの誕生日と同じです。発売記念のお祝いディナーのBGMでもこのアルバムを流しました。
再生したレコード盤のりんごの断面の色が僕のと全然違いました。アメリカオリジナル盤だとか。僕のはUK盤だったと思います。音もはやり違って聞こえました。
今日の試聴会は、スピーカーMONOを2セット用意しました。
オーククリアのMONOは第1回モノノネと同じくgraf KG-AMPに、グレーのMONOはQUAD44+405との組み合わせ。
QUAD44+405は、僕がオーディオにハマるきっかけになった80年代の英国製のアンプです。
その他の機材は第1回モノノネと同じでした。
曲に合わせてアンプを切り替えて再生しました。
2曲目は小学生の時に買ったThe Ventures。3曲目は、おとうさんから譲り受けたGeorges Moustakiと当時の思い出話も交えてご紹介いただきました。
写真のポール・サイモンは三沢さんが初めて買ったレコード。
聴きすぎてノイズがヒドいかもということでしたが、スクラッチノイズがかえって気持ちよい音を出していました。
お話を伺ったあとで、実際にその現物のレコードで音楽を体験できるのがスゴイなと思いました。
これこそ体験しないと分からない音。
三沢さんのリアルな歴史を感じたような気がしました。
三沢さんの出身地京都のミュージシャン、加藤和彦さんの話からサディスティック・ミカ・バンド。そしてはっぴいえんどのお話から 大滝詠一さんの曲が掛かり、その繋がりで、Buffalo Springfieldへ。
お話のDJプレイのようでした。
小学生の時にはじめてブルースを感じたというストーンズのB面曲。
写真をよく見ると京都のレコード屋のビニールに入っています。
こんなレコードを愛聴している小学生なんて、スゴすぎます。
休憩後の後半は、ルー・リード、"Walk On The Wild Side"でスタート。
大学時代よく聴かれていたそうです。
僕も大学時代にVelvetsに出会って人生の道をそれてしまったという話をしたら、お客さまから「ワイルドサイドを歩け!」って声が掛かって、ほんとにそうだな…としみじみしました。
ニューウェーブ・ドローン繋がる音楽としてビートルズ "Tomorrow Never Knows"を紹介され、Pere Ubu、Televisionと続きました。
世代は違えど三沢さんと同じような音楽を僕も大学時代にあびるように聴いていました。
あの頃特有のなんともいえない感情がこれらの音楽には詰まっています。
その音楽を冷凍保存してくれるレコード、そしてそれを解凍して耳に届けてくれるオーディオに本当に感謝ですね。
その後は映画音楽がつづきました。
ポーランドの作曲家Andrzej Korzyńskiのドラムがカッコ良い曲、Jonathan Beplerによるマシュー・バーニーのサントラCD収録の天使と悪魔の声が入ってるという曲、ツインピークスのサントラからジュリー・クルーズが唄う "The Nightingale" をご紹介頂きました。
ちょっと摩訶不思議なサウンドトラックばかりでとても好みでした。
最後はBob Dylanの1stアルバムから。
モノラルリマスターCDでの再生でした。
若いディランのヒリヒリした歌声にゾクゾクしました。
お客様の持ち込み音源の再生は時間の都合で3曲だけしたが、それぞれ素晴らしいレコードでした。
前回のBRANDINでのイベントに参加してくださった方が、クラシック音楽もスピーカーに合いそうと思って持ってきてくれたパブロ・カザルスのライブ盤は、演奏中の吐息も聞こえてきてスゴイ臨場感でした。
イベントのしめくくりは、三沢さんと僕の共通に好きな曲ということで…
ふたりが敬愛する細野晴臣さんの曲で、坂本龍一さんと嶺川貴子さんによる「風の谷のナウシカ」をご選曲。
細野さんから頂いたという7inchボックスセットを持ってきてくれました。
第一回モノノネのゲストの嶺川さんの歌声がエンディングにかかるとは…。
三沢さんの粋な選曲に嬉しくなりました。
三沢さん、本当はニューウェーブやエレクトロミュージックもかけたかったみたいですが、全然時間が足りませんでした。
三沢さんの1段目の引き出ししか見れなかった感じなので、次回は時間制限無しでモノノネをやりたい気持ちになりました。合宿にしないと無理かもしれませんね。
いつもサポートしてくれるBRANDINの宮治さん・ひろみさん、お越しいただいた皆様、そして音楽の素晴らしさを伝えてくれた三沢さんに感謝致します。
ありがとうございました。
青柳亮
第二回モノノネ
ゲスト 三沢厚彦さん
場所 BRANDIN
日時 2015年10月25日(日)15時〜17時半
選曲リスト
<本編>
1. Paul McCartney - Momma Miss America
2. The Ventures - Bulldog
3. Georges Moustaki - Ma Solitude
4. Paul Simon - Duncan
5. サディスティック・ミカ・バンド - タイムマシンにおねがい
6. 大滝詠一 - あつさのせい
7. Buffalo Springfield - For What It's Worth
8. The Rolling Stones - Through The Lonely Nights
9. George Harrison - Give Me Love-(Give Me Peace On Earth)
10. Lou Reed - Walk On The Wild Side
11. The Beatles - Tomorrow Never Knows
12. Pere Ubu - On The Surface
13. Television - See No Evil
14. Andrzej Korzyński - The Dziekanka Student's Hostel 1
15. Jonathan Bepler - The Ballad of Gary Gilmore
16. Angelo Badalamenti - The Nightingale
17. Bob Dylan - Baby, Let Me Follow You Down
<エンディング>
18. 坂本龍一+嶺川貴子 - 風の谷のナウシカ