horaanaの改装したいところは山のようにあるのですが、まずは自分のホラアナを作りから。
少々傷んだプレハブ小屋の内装をやり変えることにしました。
和室の押入と床の間を解体して8畳に拡げました。
畳の下は12mmのコンパネが敷かれていたけども、湿気で完全に腐っていました。
歩くとズボズボと穴が開きました。
20年ほどしか経っていないのにこの状態はひどいですねー。
それに比べて、約150年前に建てられた母屋は表面上は傷んでいるところはあるものの、建物の骨にあたる柱や梁はしっかりしているし、通気性が良いので、変な匂いが一切しません。
20・30年持ったらOKという現代建築のあり方に疑問を持つ出来事でした。
押入の底板は薄いベニヤだったので、取り除くと土が出てきました。
部屋中に湿っぽい土の匂いが広まりました。
通常は除湿シートを敷いたりするみたいですが、湿気を「封じ込める」という発想自体が現代的な気がして…
効果は薄いかもしれないですが、ジャリを敷きました。
和室の天井は、よくある木目シートの天井板でした。
解体して新しい板を張ることも考えましたが、自分に課題を与えてみました。
「この天井を生かした状態で、新しくて面白い仕上がりにすること」
horaanaは「実験の場」にしたいと思っています。
当たり前のように選択してしまう方法を一度取り払って、通常の内装ではやらないことにいろいろチャレンジすることにしました。
失敗したところで自分の場所だしやり直したらいいや、という軽い気持ちで。
和室の天井は薄いベニヤ板をいろいろな幅に切って、それを元の天井板に習って隙間を開けて上から貼付けました。
即興的に新しいグリッドを作っていきました。
時間制限を設定して、やりすぎないようにしました。
天井の高さが低いので、壁と同じ色で天井を塗って空間を広く見せることにしました。
なかなか面白い天井板になったので、仕上がりを見るのが楽しみ。
キッチン・バスルーム・トイレの空間は現状の柱が見えた状態を生かすことに。
全部白に塗ったら無難に快適な空間になりますが、ここでもチャレンジしてみることにしました。
柱の茶色で区切られた壁面ひとつひとつをランダムに違う色で塗ることにしました。
名付けて「調色塗り」。
白ペンキに黒と茶の色を混ぜていって、良い色になったところでペイント、さらに色を加えてまた良い色が出来たらペイント、という作業を繰り返しました。
手間はかかりましたが、「色をつくる」という作業が楽しかったです。
旅行の時に見たカフェの壁や路地裏のコンクリート塀とかを思い出しながら。
壁の塗装は妻に担当してもらいました。
想い返せば、新婚時に住んでいたロンドンのフラットの壁を一緒に塗ったのが最初の経験でした。それ以来いろんな場所で一緒にペンキ塗りをやりました。
「ペンキ塗り」って劇的に空間が変わるので楽しい作業です。
塗装後のマスキングテープを剥がし終えたら、こんなに美しいオブジェが床に転がっていました。
「塗装の花」ですね。
青柳亮
2015年10月31日土曜日
まずは自分のホラアナから