コラム

WELCOME 2018

新年あけましておめでとうございます。

 

21世紀に入り18年目という時を迎えました。録音物による音楽鑑賞が一般化してからおよそ100年。そろそろ客観的にオーディオ文化を振り返る時期がやってきたと個人的に感じています。

 

音を聴くということは、太古からつづく人間の日常の楽しみです。うたが生まれ、楽器が生まれ、音は自然と音楽となりました。音楽はずっとずっと長い間、生まれては消えていく、儚く美しいものでした。

 

音楽が録音技術によって、くりかえし聴くことができるようになったことは音楽を愛する者ににとってはたいへん喜ばしいことです。しかし、それによって以前の音楽との関係性がガラッと変わってしまったのも事実です。録音は、音楽を良い意味でも悪い意味でも固定化すること。自分が生まれるよりずっと昔のミュージシャンが生み出した音楽を聴くことは、時空を超えた至福の瞬間である反面、本来蝶のように自由に羽ばたいている音楽を籠に入れてあれこれ鑑賞しているような、本筋からズレた人間の趣味性を感じてしまうこともあります。

 

スピーカーを作り始めてから日々感じることは、「音はいつも正直」だということです。よい音(=気持ち良い音?)もそれほどでもない音も事象として、この瞬間、この空間に発生しています。それをどう捉えるか、感じられるかは、僕たちの能力や感性の違い。そもそもこの地球上で、他の動物と同じく人間は限られた聴覚能力しかあたえられていません。自分が感じている音がどれくらい他の人と同じものであるのかを計り知ることはむずかしいことです。

 

音を音楽として楽しむのは人間の独自の文化ですから、その能力の範囲内で私感にもとづいて善し悪しを判断するのはまっとうな行為です。しかし、生演奏よりも録音物で音楽を聴くのがスタンダードとなった現代において、本来の「音のすがた」、「たたずまい」のようなものを録音物から感じとり、体感することがとても難しくなっているように思っています。生き生きとした現実の音はそこら中にそのままの姿であるにもかかわらず…

 

生楽器の演奏にくらべて、オーディオによる音楽鑑賞はとてもまわりくどい方法です。演奏の録音→編集→メディアの製作→プレーヤーによる再生→アンプによる増幅→スピーカー(ヘッドフォン・イヤホン)による音の現実化。ふつうのオーディオ再生においてはこれくらいの行程が必要となります。元の生演奏が同じようにスピーカーから聴こえることは不可能といってよいでしょう。

 

それでも人間は、好みかどうか定かでない生演奏に接するより、愛聴盤の録音物のほうにより安心した感動を憶えるのは面白い事実です。その音楽は永遠に裏切らない友のような存在として、僕たちの人生を支えてくれているように感じることもあります。録音物の誕生によって、音楽と人間の関係性がすっかり変わってしまったのでしょう。ずっと手の届かない謎の存在であった音楽がついに友達になってしまったのです。

 

約100年前のSP盤を蓄音機で聴くたびに、「音楽やオーディオの本質って何だろう?」という思いがムクムクとふくらんでしまいます。現代のオーディオ機器と比べて、計測可能な性能としては、優れたところは皆無。誇れることとしては電気を使わないことくらいでしょう。(手動でゼンマイを巻く必要があるので、現代ではデメリットかも。)

 

にもかかわらず、前時代的な装置から発せられる音楽に今まで体験したことないような、感動と喜びを感じてしまうのは、うそのない事実。今まで、国内外のさまざまな名機といわれるヴィンテージオーディオ、現代最先端のハイエンドオーディオの音を聴く機会がありましたが、同じような体感を得ることはありませんでした。最近は、SP盤・蓄音機という人類史上初期の録音・再生機による音の世界のなかにこそ、その本質が宿っていると確信を持つようになりました。

 

AIスピーカーが発売される一方で、アナログレコードブームが起こったりするのが現代。音楽を聴く方法を自由に選択できる(=「選ぶセンス」が問われる)世の中です。飽和状態とも思える現状だからこそ、音楽を聴くことをより楽しくするために、音楽との関係性やオーディオ文化を今一度見直してみてもよいのかなと思っています。

 

もっと、きっと音楽は楽しいはず。「愛ある世界」。

 

本年もどうぞホラオーディオをよろしくお願い致します。

 

 

2018年元旦

 

HORA AUDIO

青柳 亮

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